ヨーロッパ農業留学(2019)

春来の農場訪問期② ~Crieff, Scotland~

イングランドのCSA農場、Canalside Community Foodでのボランティアを終えて、スコットランドへひとり旅に出ておりました春来です🏕🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿

その旅の道中に、素敵なCSA農場を訪問することができました😃
この前まで働いていたCanalsideの農場長、Domの紹介です。
人の繋がりがご縁を作ってくれるのが本当にありがたいっ!

ここの農場もめっちゃくちゃ素敵だったので、みんなに共有したい!
今回はこの農場を紹介したいと思います。

スコットランドのど真ん中、Crieffという小さな町にある農場です。

その名は Tomnah’a Market Garden (トムナハ)

とっても素敵な農場の紹介動画。どんな感じか一気にわかります。
この動画に出てくる男の人がSamです。

この農場の名前は、Tomnah’a Market Gardenです。みんなからはトムナハ〜って呼ばれています。30代前半の若い夫婦、SamとJudithが、四年前に始めた農場です。


Tomnah’aでは、CSA(Community Supported Agriculture)という、
生産者と消費者が利益とリスクをみんなで分け合う農業をしています。
私がお世話になっていたCanalsideと一緒ですね。
(詳しくは、この記事をぜひ参照ください👉 https://monpegirl-haruki.100-no-teshigoto.com/at-europe/csa/

スコットランドではCSAファームの数はまだ少なく、珍しいんだとか。

お花も育てる農家さんを訪問するのは初めてだなあ。

この農場は、オーガニックで野菜お花と鶏のを主に生産しています。
年間に育てる野菜とお花の種類は、何と100種類近くに登るとのこと!
まさに、少量・多品目生産でやっている農場です。

平飼いの鶏たち。100羽ほどいる。とても幸せそう。


どこに売っているの?

さて、Tomnah’aの売り先はどんな感じなんでしょうか?見ていきましょう!


Tomnah’aの売り先
  1. CSAのメンバー
  2. 農場に隣接されているファームショップとcafe
  3. レストラン数軒

①CSAのメンバー

Tomnah’aのCSAシステムは、私が以前働いていたCanalsideを参考にして作られたそう!

この農場は現在約80家庭分の野菜を作っています。
契約しているメンバーは、地域の住民がほとんど。週に一回、農場に野菜を取りに来る方式です。

S,M,Lサイズの三種類があって、このホワイトボードに沿って自分で野菜を詰めていきます。

卵もあるよ!🐔

Tomnah’aでは、野菜の期間は7月から12月までの約半年だけ。そのほかはお休みしています。

今日も豊作だったようです!

②ファームショップとカフェ


Tomnah’aは、Comrie croftというキャンプ場の隣にあるんです。
ここに併設されてるカフェとファームショップにも、卸しています。

このComrie Croftでは、ウェディングも開けるんだとか。
Tomnah’aのお花は、ここで結婚式をあげるカップルのためのブーケだったり、式場の飾り付けにも使われます。個人でも花束のオーダーを受けつけています。

https://youtu.be/pteEpWW8hQw
Tomnah’aのお花を紹介しているビデオ。とっても素敵🦋
私もお花育てようかな

③レストラン数軒

野菜はレストランにも卸しており、車で1時間弱の町に、配達に行っています。

色んな人が入り混じる農場

農場のキッチン

ここでは、イギリス国内外から若いボランティアがやってきます。私が訪れた時は、
ノルウェー、デンマーク、オランダ、日本から5人の若者がボランティアしていました。(みんな女の子!)
私がやっていたように、「働く代わりに住む場所と食べ物は与える」という取り決めで働いています。

ご飯係は交代制。みんなで食べる。

CSAのメンバーである地域の人々も、ボランティアで手伝いにきたり、
みんなでパーティを開いたり、とてもオープンな雰囲気。

ボランティアの一人のお別れパーティにも、たくさんのCSAメンバーが集まりました。
ちなみにこの夜はソーメン流しパーティだった

このSamとJudith、その他の農場のメンバーも
とてもフレンドリーで、新しい人を暖かく受け入れる素敵な人たちばかりでした。

Domの紹介とはいえ、初対面の私を家に泊め、ご飯も共に食べさせてもらい、たくさんの話をしてくれて・・・本当に楽しかったし嬉しかった😂
しかも、一人用のテントと寝袋を貸してくれたので、そのあとの旅はさらに素敵なものになりました🏕(宿代が浮いた笑)

同じCSA農場でも・・・

さて、農場長のSamに色々お話を聞いていた時。
(彼はDomの友達で、夫婦ぐるみで付き合いがあります。彼らはとても雰囲気が似ていて、聡明で優しい。とても好き。類は友を呼ぶんだな)

Samは言いました、

「Canalsideがとても羨ましいよ。トムナハは、僕たち農業者から始めたCSAだから、なかなか大変なんだ・・・」

とのこと。はてなマークが私の頭の中に浮かびました。

同じCSAでも仕組みが違うってこと? 

ちょっとわかりやすく二つのCSAを比較してみますね。

Canalside Community Foodの場合🥕

Canalsideは、実は農家が作った農場ではないのです。
2005年に、地域の消費者のグループがこの農場の枠組みを作りました。

消費者グループが農業者を雇い入れたイメージ。

Canalsideには現在3人のGrowerがいますが(野菜づくり担当の人)

  • 働く時間は朝8時から16時15分まで。
  • 週休二日制
  • 一年のうちに長期休暇を取れる
  • 月給制

と、コミュニティが彼らの労働環境や給料を、みんなで払っている感じなのですね。

Tomnah’a Market Gardenの場合💐

Tomnah’a は、農場を開きたい!という夢をもつ若い夫婦で始められました。
この夫婦は、自然環境にも人にも優しい、持続可能な農業経営をしたいと考えており、そこで行き着いたのがCSA。
農場の周りには、幸運にも小さな村があり、そこの住民に呼びかけて徐々にメンバーを増やして行きました。

農業者から始められたCSAなので、一見するとCanalsideと同じように見えますが、消費者はもっと受け身な感じです。

さらに売り先もCSAだけでは経営が続かないので、色んな場所に野菜やお花を卸しています。
野菜を作るだけでなく、色んなマネジメントも彼ら自身でやる必要があるので、ものっすごく忙しいんです。

野菜をあれだけしかもオーガニックで作るのでもとても大変なのですから・・!!
この夫婦は、毎日、朝から晩まで働いています!(農家さんは本当に忙しい。)

まとめると・・

農業者からはじめるCSA(Tomnah’a)

  • CSAメンバーになってくれる人を、自分たちで見つける必要がある
  • 労働環境は、定まったものではなく、自分たちで決める。
  • 始めるのは比較的簡単だが、その後のマネジメントが大変。
消費者からはじめるCSA( Canalside Community Food)
  • お金の管理や、広報などもコミュニティの中で協力してやる。
  • Growerは、コミュニティの中で「野菜を育てる係」という立ち位置。消費者と同等でいることを尊重する。
  • とてもいい仕組みだが、始めるのにハードルがとても高い。

どちらの方法も、色んなポイントがあってすごくいい勉強になりました。
日本でやるのなら、どっちがやりやすいのかな? 皆さんはどう思いますか?

この農場を訪問してみて

本当に色んな農場があるんだなあ・・と実感しています。
農場の数だけ考えが変わり、それによって経営方法も、売り先も、地域との関わり方も変わる。

たくさんの場所に訪れて勉強することはほんっとうに大事なんだと気づかせられました。それだけ私の世界は広がるから。

少しずつ色んなアイデアを借りて、私もトムナハやCanalsideのような場所を作りたいなあ😆

最後にこの農場のレタスの写真。綺麗すぎて、15分くらい見とれていました。

さて、春来の旅はまだまだ続きます💕
何か疑問に感じたことや、感想など教えてもらえたらかなり喜びます。

おわり。

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