今日は泣いた。
怒りと悲しみと寂しさがごちゃ混ぜになった。
この気持ちを忘れてしまわないよう、ここに書き残しておくとしよう。
完全なマイノリティーになる経験
日本を飛び出してきて、半年近くが経ったんだ。
イギリスから始まり、今イタリア。
農場には、もちろん日本人なんている訳ないし、
つまり、私だけハッキリと浮いている存在。
すべてが初めてだし、言葉もわからないし、とにかく異世界なのだ。
日本に住んでいたら、絶対に経験できない強烈な体験だと思う。
まだイギリスはよかった。
なぜなら言葉がわかるからだよ
あのころは、彼らの英語を聞き取ろうと必死だったけど、でも最終的に、意思疎通は完全にできる。
簡単に言うと
イタリアでは言葉がわからない。これってすごく大きいのだと痛感してる
今の農場では、英語に苦手意識を持っている人が多い。(その点日本と似てるのかなあ)
だから勿論、基本私の周りで流れる言語はイタリア語だ。
いやこれは別に、いいのだ。
だってイタリア語を勉強してこなかった私が悪いし、覚悟の上でやってきた。
でも、でもよ、
もうちょっと、フォローがあってもいいんじゃない?
っていうモヤモヤが、意識しないまま、溜まっていってたみたい。
食卓でも、農作業中も・・・・
ぶどうの収穫で農場は繁忙期を迎えている。
それに伴って、人手が必要だということで、たくさんの若者が出入りする。
彼らは、ワイナリーの作業や、ぶどうの収穫に駆り出されてるわけだ。
最近、日中は彼らと一緒に作業し、一緒に昼ごはんも食べている。
彼らは、礼儀正しいし、優しい人たちだ、と思う。
ただ、シャイなのか、私と進んでコミュニケーションしようとしてくれない。
食卓では、みんながなに話してんのか理解しようとしても無駄なため、一人黙々とご飯を食べる。
私には立ち入る隙などどこにもない。
時々、口を挟む努力はしているけどなかなか難しい。
ずっとボーっと無表情なのも雰囲気壊しそうなので、にこやかにしとこうとは努力するのだけど、それも続かない・・疲れる。
さらに私以外、みんな、ドッと大笑いする。さらに居たたまれなくなる。
もう、なんなの、一人くらい、簡単に、説明してくれたっていいじゃない。
「今こんなこと話しててさあ・・」ってくらいでいいから。
私だって英語下手くそなんだから、別に気にしないし。
もうちょっと私にも気を配ってくれんだろうか・・・・?😢
あっ、ご飯食べ終わっちゃった。
みんなが盛り上がっている中、そそくさと食卓を離れる私。
農作業中もそうだ。
簡単な、言葉だけ、せめて挨拶だけでいいから、声をかけてほしい・・・
私になんか興味ないのかな・・
一人だけ、虫のように作業する。
なんだか、息が詰まって、苦しい。
ここでいっときたいのが、彼らが意地悪でこうなってるんじゃなくて、
彼らの、外国人に対するシャイさが、こういう状況を生み出してしまっているということ。
「俺、英語苦手だからお前行けよ」
「いや、私もわからんし・・・」
ってイタリア語でこそこそ話してるけど、わかっとるぞ!!お前ら!! 😤
イングレーゼ(イタリア語で英語の意味)って聞こえたぞ。
なんだか、
ぷっつん。と何かが切れた感じがした。
胸の中で
怒りと、悲しみと、寂しさが一緒くたになって、
つっかえて、苦しい感じ。
ああ、この感情知ってる。
日本を飛び出してから、何回か経験したけど、今回はオオモノだなあ。
とぼんやりしながら、仕事を放り出して、誰もいない野原に、一人、逃げ出した。
(どうせ誰も気にしゃしないし)
そしてわんわん泣いた。笑
その状況のまま、
ツナくん(鹿児島大学、研究生、トルコ人、めっちゃ日本語流暢)
に電話で、今の状況を説明したのだけど、
彼は戸惑いながらも、
「多分、彼らは、本当の『語学』を勉強したことがないんだと思うよ。
だから、外国人の、気持ちがわからないんだよ。気にしないで」と。
この言葉が、すっと私の心に沁みて、救ってくれた。下手な慰めより、何倍も効いた。
彼は、日本語を一から勉強してきたわけだけど、言語の難しさや、海外でマイノリティーになることの大変さを理解しているから。
さらに涙が出てきて、びえびえ泣いた。
ツナはさらに困ってオロオロしていた。
そして、涙が出きってしまうと、
気分はスッキリし、ちゃんとぶどう畑にもどりましたとさ。(ここでボイコットする勇気はない。)
泣くって本当に大事だなあ。
冷静に分析してみよう
私は、まさに彼らだった。
彼らを見ていると
日本にいた頃の私を思い出してしまう。
これまで外国人と接する機会が多い人生ではなかったけど、
外国人を見ると、
英語は喋れない=私にはコミュニケーションできない
で思考停止してしまってたのね。
いやいや、コミュニケーションできますて。今ならわかる。
英語喋れないっていうのは、うそ。
学校で習ってる、本当に簡単な英文で十分、意思疎通はできるんだよ。
細かい文法を気にしすぎで、話せなくなっちゃってるだけだ。
(ただ、細かいニュアンスや、抽象的なことは難しい。だから私はさらに英語勉強している訳で)
言葉だけじゃなくて、
笑顔だったりとか、挨拶だけでもとか、目を見てくれるとか、ジェスチャーでも、
「伝えたい!コミュニケーションしたい!あなたのこと知りたいの!!」
ていう気持ち
もう、それだけでも全然違うんだよ。
それが、日本の中のマイノリティーである外国人にとって、どれだけの救いになるだろうか。
ようやく、今気づく。
これまでの私に怒りがわくね。ほんと反省だわ。
日本に帰ったら
海外経験者は、頷いてくれるところもあったかもしれない。
これって、英語圏に行くのと、非英語圏に行くでも、経験することは違う気がする。
私たち日本人って、多少なりとも英語知ってる訳だからね。
(こっちきてから、思ってた以上に、日本語の中にも英語って浸透してるなって気づいたよ)
あと、これは単なる旅行では味わえない経験だなと。
こうやって腰をすえて、現地の人と暮らすことで初めてわかることってたくさんある。
あーーーこの経験だけでも、日本飛び出してよかった
と心の底から思う。感謝。
日本に帰ったら、絶対に、外国人に優しくする。
その人が英語喋れても喋れなくても、ちゃんとコニュニケーションしたい。
そいで。
私は将来、多様な人が、安心して居られる場を作りたい、って最近思う。
今の私みたいなマイノリティーの立場の人でも、あなたはここに居ていいんだよって、思えるような心地よい空間。
そうしたらみんなハッピーじゃない?
いろんな人がいるから楽しいんだよ。多様性万歳!!
って感じで、今は、だいぶ回復してます。心配かけました笑
こりゃ強くなるな、私。
終わり。