こんにちは、春来です。イギリスの農場で働きはじめ、もうすぐで2ヶ月が経とうとしております!
毎日働き、野菜を食べ、寝て、働き・・とすっかり農場に馴染んでおりますが、
女子力かなり落ちていると思われる・・・!!
毎日すっぴんいつも作業着、周りの人が皆年上で同年代の子がいないので、おしゃれにも疎くなり、野生に戻りつつあります。楽しいけど。生きてるって感じするけど。いいんかな・・・笑
週末に一人ショッピングを計画中です(若者の感覚を取り戻すために)
まあそれはさておき、私は今イギリスにて、『Canalside Community Food』という名前の農場で働いています。
ここが、かなり面白い仕組みの農業をしています。
正直、私、この農業にすごく可能性を感じてワクワクしてるんです!
今回はこの農場が取り入れている、日本では珍しいCSA という仕組みについて皆さんにお伝えしたいと思います!
🔻こちらに、なぜこの農場に来たのかなど書いておりますので、
読んでもらえれば理解が深まると思われます😊
この農業のイメージ
Community Supported Agriculture(CSA)は、生産者と消費者が利益とリスクをみんなで分け合う農業のこと。
このCSAの考え方は、1960年代の、日本の産直提携がモデルになっているそうです。これがヨーロッパに広まってできました。(’Teikei’として知られています)
今ではアメリカやヨーロッパで盛ん。ヨーロッパだけで現在、約2,800のCSA農場があり、48万人もの胃袋を養っています。
日本でCSAはほとんど知られていないですが、その始まりは日本からだったということに、とても驚きました!
メンバー(顧客)は、月ごとに決まった金額を農場に払います。
「野菜を買っている」というよりも、
「このコミュニティに出資して機能するのをお手伝いしている」というイメージ。
その分け前として、野菜やコミュニティに参加できる権利をもらえる。(シェアと呼ばれる)
農場は固定された収入があるので、経営が安定しやすくなります。
CSAにも色々種類があります。
特にこの農場は「みんなで農場を経営する」という考えが強いです。コミュニティの形成を大事に考えています。
農場とメンバーが、それぞれもっと独立しているCSAもあるし、
価格をより重視して利用しやすいCSAもあるようです。
あと、CSAはオーガニックが基本です!(ここの農場ももちろんオーガニック!!☺️)
環境にとても気を使っている農場が多いです。
この農場Canalside Community Foodの説明
*育てる人 Grower
農場スタッフは、Dom(36)、Stephen (29) の二人。およそ170家庭のために3haの畑を管理している。
週休二日制。スタッフはCanalsideに雇われて、メンバーみんなから給料を払われているイメージ。
*運営メンバー Steering member
農場のコアメンバー。農場のマネジメントを任される。イベントの開催、毎週のニュースレターの配信、お金の収集・会計などなど。定期的にミーティングが開かれる。
*消費者 Member
お客さんではなく、メンバーと呼ばれる。(上から目線にならず、対等な立場を築くため。)
契約したメンバーは、週に一回農場に野菜を取りに来ます。取りに行くのが難しい場合、街のオーガニックショップで受け取り可能。
野菜はGrower達によって収穫され、picking space(野菜スペース)に揃えられます。メンバー達は、それぞれ決まった量を自分の手で計りバックに詰めていきます。
シェアには三種類あって、メンバーはそれぞれ好きなサイズを選び、農場と契約しています。基本的に、月払いです。
下はそれぞれの値段と、中サイズの野菜の写真。イメージできるかな?
この値段が安いのか高いのかは、それぞれ人によって変わると思います。
スーパーの安売り野菜に比べれば高いですが、
オーガニックで、新鮮で、地域のコミュニティに参加できて・・・
皆さんはどう考えますか?
みんなで作る農場
*Work Morning (週2回、10:00~13:00)
Canalsideでは、メンバーによるボランティアの日があります。水曜日と土曜日、朝10時から昼の1時まで農作業するというもの。それぞれ6〜10人くらいずつ集まリます。
人手がいる作業も、みんなでやればあっという間!途中にティーブレイクがあって、みんなでビスケットをつまみながらおしゃべり。ここでメンバーたちが繋がり、コミュニティが広がっていく。
子供達は畑の周りで遊びまわり、大人たちはせっせと野良仕事。この風景が好き。
*Social Event
年に何回か大きなパーティーや収穫イベントもある。Canalsideのメンバーなら誰でも参加できる。土曜日にはママたちが集まって、子供たちを遊ばせながら、おしゃべりするという場もある。
この農場を介して、素敵なコミュニティができています!
リスク管理はどうしているの?
CSAのことを日本で知った時「めっちゃいいやん!」と思った反面、
「天候不順で農作物が全滅とかしたらどうするんだろう・・」と思ってました。
お金は前払いしてるわけだから、メンバーが損しちゃうことになるよね・・?
農場長のDomに疑問をぶつけてみました!そうすると興味深い答えが。
2012年、イギリス。4〜6月がとても寒かったらしい。
たくさんの農家が大きな被害を被り、廃業せざるを得なかったとか。
その中でも、Canalsideはびくともしなかった。それもそのはず、ここは年に60品目の野菜を育てていて、野菜の多様性が半端ない。ある種は死んでも、ある種は生き残れる。
単作で大規模に栽培している農家は野菜が全滅しても、Canalsideではそんなことは起きなかったって。
これはCSAだからこそできることだよね。
Domが言った、
「We are not a supermarket」
という言葉が心に深く残りました。
確かに、
旬の野菜しかシェアに入らないし、
自分で農場まで来て、野菜を計って詰める作業もする必要があるし、
野菜の形はバラバラだし、土が付いている。
だけどこれを言い換ると、
- みんなで地域の農業を守ることができる。
- オーガニックで作ることができる。地域の環境を守れる。
- 地域のコミュニティを作ることができる。地元に愛着が湧く。地域の経済も強くなる。
- 生産者と消費者の距離が限りなく近いので、安心。大地と繋がっている感覚が増える。食育に繋がる。
- 野菜が限りなく新鮮。旬の野菜。またパック詰めしないので、無駄なゴミが出ない。サイズが違ったり形が変でも無駄にならない。流通のコストが全くかからない。
ってことなんだ!!
実際この農場は、とても人気でこれ以上の人数は受け入れられなくなっています。何人も、このCSAに参加できるのを待っているそうな。
私が考えること
「食べ物はスーパーから買う」
これが当たり前になってしまっている私たち。いつの間にか、畑と食べる人は遠く離れてしまいました。
消費者は綺麗で同じ大きさで、パック詰めされた野菜を求めます。それがどれだけの資源や野菜を無駄にしているのか・・
そろそろ私たちは変わらなきゃいけません。
私は、このCSAはこれからの日本に必要とされる、農業の形だと思います。食だけでなく、いろんな社会の問題も解決できると思う。まさに、未来の持続可能な農業のあり方だと信じています。
私はこのような農業を日本でもっと広めたい!
食や農業の分野から、日本をもっといい国にしたい。誇れるようになりたい!
そんな夢がじわじわと胸の中に広がってきています。
とりあえず、卒論をCSAをテーマに書くことに決めました。
- 仕組みと現状の整理
- CSA問題点を深く探る。
- 日本でどうすればこんな農業が広まるのか、考える。
も目標に日々学んでいきたいと思います!
まだまだ皆さんに伝えたいことがたくさんです。もっと書きたいことあるのに、日々の労働で寝てしまう・・・。ぬお〜〜頑張ります!
あと身だしなみにも気をつけます!!笑