目次
本の名前
FACT FULNESS(ファクトフルネス)
〜10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣〜
ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド
Kindleにて読了
この本を選んだ理由
「世界は良くなっていると思う?
それとも悪くなっていると思う?」
と聞かれたら、あなたはなんと答えますか?
私だったら、間違いなく「悪くなっていっている」と答えたでしょう。
だってさあ・・・
人口爆発で食糧不足、 世界の貧富の差は広がってるし、 人々の絆は薄まっているし、 凶悪な犯罪は絶えないし、 環境破壊は止まらないし、温暖化やべえし・・
エトセトラエトセトラ。
幼い頃から、触れるニュースやら情報は、何となく否定的なものが多くて。
人類に未来はあるのか!?😰ってどんどん暗くなってしまう。
「昔は良かった。」
よくある大人の言葉をなんとなく信じ込んでしまっていたのかもしれない。
とにかく、昔から、世界に対して悲観的だったのね私😓
(だからこそ国際協力や環境問題に深く興味を持ったんだろうけどね。)
そんなある日、友達にある一冊の本を勧められました。
それがこの本、FACT FULNESSだったのでした。
最初は、なんだこれ、難しそう・・と思ったのですが
「ビル・ゲイツ、バラク・オバマ元アメリカ大統領も大絶賛した」
と書いてあって、興味がそそられて手にとりました。
結論から言いますと
この本を読んで、私の意識は大層変わった。
世界は良い方向に向かっているのです、確実に。
でもなぜか、私たちはそのことになかなか気づけていない。なんでだ!?
この本で作者が伝えたいことは、
- 世界が昔に比べ、どれだけ豊かに、平和になり、進歩しているかという事実。
- 私たちが、世界を悲観的に捉えてしまうメカニズムや本能について
- それを理解して、事実を見つめる大切さ。
とても明快で、楽しく読めます。
興味深い例も盛りだくさんで、ぐいぐい読んでしまいます。
読み終わった後は、心地よく前向きな気持ちに満たされていました。
今、若いうちに本当に読んで良かった本。
私と同じように、ちょっと悲観的に世の中を捉えてしまっている人、ぜひ読んでほしい。
内容
世界を誤解しまくってる私たち
この本は、12題のクイズで始まります。
このクイズは、「人々がどれだけ世界の事実を知っているのか」 をテストするために作られました。
ここから、簡単に診断できますよ!面白いのでぜひやってみて!🔻
FACT FULNESS チンパンジーテスト🤔🐵
んじゃちょっと抜粋させてもらって。
質問1✏️
世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
A 20%
B 50%
C 80%
質問2 ✏️
いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?
A 20%
B 50%
C 80%
ちょっと考えてみてください。
・・・考えた?答えいきますよ?
答えは、 質問1・2どちらとも C でございます!
・・・・えええええ!???!(◎_◎;)
飢え死ぬ子供や、学校に行けない子供だたくさんいるこの世の中で?
一握りの先進国の人間が富を占めているこの世の中で!?
世界で、80%もの人間が電気を使えているの!?
80%の子供が予防接種を受けれているの!?
わたしは迷いなく、どちらもAを選びました。笑
そして私と同じように、ほとんどの人が不正解の答えを選んでいます。
どの質問も正解率は三分の一以下!!
答えをランダムに選ぶチンパンジーよりも低い、と言う驚愕の事実!!!
(だからチンパンジークイズと名付けたんだとか🙊)
しかも、びっくり、
専門家、学歴が高い人、社会的な地位がある人ほど正解率が低い、という事実。
作者は、お医者さんなのですが、この結果に驚愕したと言います。
「ほとんどの人が、世界は実際よりも怖く、暴力的で、残酷だと考えている」と。
本当は、世界は良い方向に向かっているというのに。なんでだろうか?
私たちが持つ10の本能が引き起こす思い込み
(分断本能、ネガティブ本能、直線本能、恐怖本能、過大視本能、パターン化本能、宿題本能、単純化本能、犯人探し本能、焦り本能)
により世の中の事実が歪んでしまっていることが書かれてました。
この本には、それぞれの本能への抑止方法(気づきやアドバイス)が載っているのです。
分断本能 〜世界を2つに分けることはやめよう〜
質問3✏️
世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?
A 低所得国
B 中所得国
C 高所得国
答えは、Bの中所得国です。
実際、世界の大部分の人は中間所得層に属しているのです。
女の子も学校に行くし、
子供はワクチンを接種するし、
女性ひとりあたりの子供の数は2人だ。
休みには海外へ行く。もちろん難民としてではなく、観光客として。
時を重ねるごとに少しずつ、世界は良くなっている。
何もかもが毎年改善するわけではないし、課題は山積みです。
だが、人類が大いなる進歩を遂げたのは間違いありません。
これが、「事実に基づく世界の見方」なんです。
あなたはなんとなく、こっち側とあっち側で分けていなかったでしょうか?
こっち側は、何不自由なく暮らせる豊かな私たちの暮らし。
あっち側は、テレビでよく見るような、貧困で飢えに苦しむ人々の暮らし。
私はそうでした。だからこそ、答えのAを選んだんです。
作者によると、
「人はドラマチックな本能のせいで、何事も2つのグループに分けて考えたがる」
らしい。
いわゆる「二項対立」を求めるのだ。
良いか悪いか、正義か悪か、自国か他国か。
世界を2つに分けるのは、シンプルだし直感的かもしれない。
しかも双方が対立していればなおドラマチックだ。
わたしたちはいつも気づかないうちに、世界を2つに分けている。
しかしいったいなぜ、金持ちと貧しい者のあいだに分断が存在するという考え方が、
ここまで根強く残っているのだろう?
それは、
わたしたちは極端な話に興味を持ちやすいし、極端な話のほうが記憶に残りやすいから
なんです。
恐怖本能 〜悪いニュースの方が広まりやすい☠️〜
暗い話はニュースになりやすいが、明るい話はニュースになりにくい。
例えばですよ。
「日本初アメリカ着の***機が無事に着陸!」
「今年は天候も良く、野菜が大豊作です!😌」・・・って言うニュースは見ない。
それよりも
「***機が墜落!」「就職難が!」「気候変動が!」「第三次世界大戦が!」
って言うニュースの方が注目されやすいですし、人々の頭の中にも残りやすいよね。
これを恐怖本能っていいます。
メディアは、恐怖本能を刺激することで、あまりにもたやすく、わたしたちの関心を引くことができちゃうんです。
この恐怖本能は、遠い昔、先祖の命を守るために発達したものだから、
そうなるのは仕方がないものなのです。
例をあげよう。
1990年以降、アメリカの犯罪発生率は減り続けている。
1990年には1450万件の犯罪が起きたが、2016年には950万件に減った。
しかし、どれだけ犯罪件数が減ろうと、ショッキングな事件は毎年のように起こり、メディアはそれを大々的に報道する。
その結果どうなったか。
1990年以降のほとんどの年において、「犯罪は増えていると思うか、減っていると思うか?」という質問に対し、「増えている」と答える人が大半を占めた。
多くの人が「世界はどんどん悪くなっている」と錯覚するのも無理はない。
私たちが思っているよりもずっと、世界は平和で進歩している。これは事実。
で、ここで大事なのは、「だから世界の大問題に、目を向ける必要はないのよ。」
と言っているわけじゃないってこと。
昔よりずっと良くなっている、と言っているだけで、世界にはたくさんの大問題がある。
「良くなっている」と「悪い」は両立するのです。
作者が危惧しているのは
- 感染症の世界的な流行
- 金融危機
- 世界大戦
- 地球温暖化
- 極度の貧困
の5つのリスクです。
そしてそれを解決するのに必要なのは、
- 平和
- 学校教育
- すべての人への基本的な保険医療
- 電気
- 清潔な水
- トイレ
- 避妊具
- 市場経済に参加するための小口信用(マイクロクレジット)
なんだそうです。
必要なものはいたってシンプル。解決の道筋はあるのです。
本能を抑えて、事実に基づいて世界を見れば、何が必要なのかも見えてくる。
これがファクトフルネスなんです。
まとめ
戦争系の映画とか、遺跡を見るたびに思うんです。
今の私たちの暮らしはこれまでの人類の努力の結晶なんだなあ・・って。
しみじみ。
おばあちゃんの世代まで、世界中の大体の人は貧しかった。
生活は楽じゃなかったし、ご飯もお腹いっぱい食べられなかったし、戦争もあり、医療も発達してなかったから、すぐに人は死んでた。
大事な人間が簡単に死んじゃう世界ですよ!? 今では信じらんないよね・・・。
今の生活が普通だからつい不満を垂れてしまうけど、
ながーーーい人類史上、本当にこの時代に生まれた人間って、すごくすごくラッキーだと思うんだよね。
というか、今の時代に生まれて本当に幸せだ、って思う方が精神的にも楽じゃない?笑
何が真実かを見極めて、前向きに、世界を良い方向に変えていきたい
と心から思う。
自分の殻に閉じこもるよりも、正しくありたいと思う人へ。
世界の見方を変える準備ができた人へ。
感情的な考え方をやめ、論理的な考え方を身につけたいと思う人へ。
謙虚で好奇心旺盛な人へ。驚きを求めている人へ。
この本、とてもオススメです。