神戸から、鹿児島までヒッチハイクしたので、その時の記録。
ヒッチハイクはずっとしてみたいことの一つだった。
生きているうちにやりたいことのリストを作ったら、入っていることの一つだったの。
なんでって・・・。
うーん、そうだなあ。
なんだか、これができたら最強だと思うから。
全く知らない人に交渉して、乗せてもらって、目的地を目指す。
やろうとしなくちゃ、できない経験じゃん。。
周りに、結構やってる友達がいたから、彼らを見て触発されたのもある。
確かに、悪い人から連れ去られるんじゃないか?という危険性もあるって、十分にわかってる。特に女性はね。
でもそれでも、やってみたかったのだ。
目次
心強い仲間、すずちゃん
京都に2、3日いく予定があり、その帰りの鹿児島へのチケットを買っていない状態の時。
ちょうどそこらへんで、鹿児島へ友達が遊びに来ることになっていました。
彼女の名前はすずちゃん。去年イギリスで出会いました。
一年間一人で、イギリスの田舎を周り、現地人のお家で住み込みで働きながら旅していた、タフな子です。
オーガニックや食について、深く語り合えるような、とても感覚が合う子で、
すぐに意気投合して、日本での再会を誓ったのでした。
すずちゃんは、帰国後、今のところ神戸の実家に住んでいます。
「もしかして・・・これヒッチハイクして鹿児島帰れるんじゃね・・・?」
そうすると、
すずちゃんが「私もやりたいです!」とノリノリで乗ってきてくれた!
ついに夢が叶う時がきたア!と一人ガッツポーズ。
それにノッてくるすずちゃん・・・・変わってんな・・・・(^_^;)
そんなこんなで、神戸から鹿児島へのヒッチハイク旅が幕明けたのです!
1日目🚘
朝から三宮駅に待ち合わせした、私たち!!
お互いに9ヶ月ぶりくらいの再会でしたが、すずちゃん変わっておらず安心しました😊
積もる話はありますが、挨拶もそこそこに、早速作戦会議。
作戦はこうです、
三ノ宮のインター付近で、高速に入る車を捕まえて、まずは岡山くらいを目指す
という感じです。
すずちゃんは、三ノ宮からのヒッチハイクポイントをググってたみたいです!えらい。
そのヒッチハイカーによれば、税関前が良いらしい。ほんとなのか・・・
とりあえず意気揚々とその地点までいく私たち。
高速入り口らへんをうろうろして、やはり税関前がいいのではないか、という結論に至る。
そして、やっとこさ、私たちの初ヒッチハイクライフ、スタートお!
片方が「岡山方面」と書いたスケッチブックを高々と掲げ、片方が手をブンブン振りながら猛烈アピール!
もちろん二人とも笑顔で!!
・・・・・止まらない。・・・・・
この時点で1時間経っておる。
ついには、税関のおじさんに「迷惑だから他のとこでやってください」と追い出されてしもた。
スタートダッシュがよくなく、トボトボと歩く私たち。でも負けない!まだ始まったばかりなのだ!
次は、税関前から5分ほど歩いた交差点にて決行!
早くも1時間が経つ。
みかねた歩行者のおじさんが、色々アドバイスくれたりもした。
話変わるけど、
ヒッチハイクって面白いよ。あんなにまじまじと運転手の顔を見ることは普段ない。
私たちをみて、人それぞれいろんな顔をする。
訝しげな顔をする人や、見なかったふりする人。(どんな反応をしたらいいかわからなくて、顔が引きつってたりする)これが7割くらい。
「やってんな〜〜」と懐かしげに微笑む人、
「ごめん今日は無理!」というすまない顔をする人。
別に、乗せてもらえないのは当然だし、乗せたくても乗せられない人もいるのはわかる。
でも、何かしらの表情を返してくれると、なんだか心強くなる。
でもヒッチハイカーを乗せるって、急に大きな決断だよな。
通り過ぎる一瞬で、同じ方向だったら。乗せるか乗せないか。
全く知らない赤の他人である、今のご時世、そんなに信じちゃっていいのか??
でもでも、これは全く別の人生が交わり合うチャンスでもあるわけで。
この出会いは、奇跡のような確率なわけだよな。
ヒッチハイカーも運転手も、ある意味おんなじ土俵に立っていると言える。
そこが醍醐味なのかもしれない。
2時間くらいがさらに経過したでしょうか・・・
お腹もすいたし、能天気な私たちも心に雲が立ち込めてきた・・・。
「場所うつろっか・・・」
トボトボと交差点を後にして歩いていると、ある車に気づきます。
うい〜〜んと窓が開いて、女性が「乗りませんかあ?」と声をかけてくれた!
なんとおおおおおおおおおおお!!!! 飛び上がるほど嬉しい。
*1台目* 三ノ宮〜明石 魚の棚前
いそいそと乗り込む私たち。
前には、お母さんと娘の二人組が乗っていました。
「明石までしか乗せれないけど、いい?」とお母さん。もっちろんです!
とにかく、人の車に乗れたってことだけが嬉しい。
二人は、保管期限が切れそうになって、新しいパスポートを取りに行っていたそうな。
以前ヒッチハイクの青年を乗せた経験があったらしく、娘さんが私たちを見て「戻ってあげて!」とお願いしてくれたらしい。ほんとありがと〜〜〜!!!
娘さんは中学2年生で、今はコロナの影響で休校中らしい。ちょっとシャイなのか、口数は少なく。
マシンガントークで、今の状況を解説する私たち。
「今神戸から鹿児島までヒッチハイクしてて」
「私たちイギリスであったんですよ」
「それで日本で会おうって約束してて」
「ね、超久しぶりだよね」
「ヒッチハイク初めてで」
「明日の夜までに鹿児島につきたいんですよね」
お母さんはお母さんで、「イギリス行ってたの?いい経験してるねえ」「ちょっと、あんたも旅に出なさいよ、」と娘さんにふる。
娘さんはうるさいな〜ってしてたけど、仲のよさげな母娘だったな。
降りるとき最後に、娘さんとインスタ交換。
この年齢のうちに、ヒッチハイカーを乗せる経験するっていいね。
無事着いたら連絡するね〜と約束して、明石に降り立ちました。
(所要時間30分ほど)
*2台目* 明石〜西明石
とりあえず魚の棚商店街入って、はらぺこりんの私は、ミニだことか穴子の天ぷらとかを爆速で食う。うまかった。
実は明石はすずちゃんの超地元。
「誰か知り合いに見られたらやだな〜〜w」とすずちゃん。
とりあえず下道で、道路沿いにたつ。
近くにはセブンがあるから、とまりやすいはず!いざ!
目立つ色のジャンパー着て、「岡山行き」を猛アピールする私。
隣でブンブン手を振るすず。
とにかく笑顔で、運転手さんの目を見ながら訴えかける。
どのくらい経ったでしょうか、そんなにかからなかったと思います。
私たちとすごく目が合った運転手さんが。その車が減速して、セブンに入るではありませんか!・・・も、もしや??
「あの車私たちのために止まってくれたんかね」
「いやもしかしたらただセブンに行きたかっただけじゃ・・・・」
祈るようにそろそろとその車に近づく私たち。
そうすると小さい男の子が、ちょこんと降りてきて、トテトテと駆け寄ってきてくるじゃないですか!
「のりませんか?」と少し恥ずかしげ。
やったああああああ! 中には若いお母さんが一人。
「2、3キロくらいしか乗せれないんですけど、いいですか・・・?」と控えめな調子で聞いてくれた。
いい!もちろんいいにきまってますとも!!!!
家に帰る途中で、私たちを見かけたそう。
乗せるか乗せないか、迷ってとりあえずセブンに入ったらしい。
そしたら私たちが近づいてきたので、後に引けなくなったみたい。笑
私たちは初めて乗せたヒッチハイカーだったんだって。
私たちの出会った理由とか、ヒッチハイクを始めた背景とかを語ると、「ほんとすごいねえ・・」としきりに感心してくれるお母さん。
息子さんに、「このお姉ちゃんたちはね、いろんな知らない人の車を乗り継いで、遠いところに行ってるんだよ。」
すずちゃんすかさず、「今私たちはここにいて、これから鹿児島ってところに行くんだよ」と男の子に地図を見せる。🗾
本人は、恥ずかしそうに「わかんな〜〜い!」って。まあそうだよねえ。笑
日本は広いんだよ。
「次どこでおろそっか。乗りやすいところがいいよね。うーんと・・・」と悩んでくれる、超協力的なお母さん!ほんとありがたい。
去り際には「初めてだったけど勇気出して乗せてよかった!」とツタヤの前で降ろしてくれました。
写真を撮って、私のブログを教えて、バイバイ。
いい人だったなあ、この文章読んでるかな。私たち無事に鹿児島つきましたよ!
(所要時間 約20分)
*3台目* 西明石〜広島駅
なんだかのってきたような気もするけど、言うてまだ兵庫県だからね!!笑
なのに日がどんどん落ちてくる〜〜 😓
少しあせりながら祈るような気持ちで、スケッチブックを掲げる私たち。
すると、ヌッと大きいヤツが現れた。
・・・最初なんだかよく感知できなかった。
でっかいでっかいトラックだ!?!?
「どこ方面?」運転手さんが、ヌッと顔を出してきた。若い男の人だ。
「最終地点は鹿児島なんです!どちらまで行かれますか?」と私たち。
「福岡だよ」
・・・・げええええ、な、な、なんとおおお!
「ゆっくり行ってもいいなら乗せてあげるよ」と言うお言葉に、首をぶんぶん縦にふる私たち。
人生初!4トントラックに乗り込むことになりました。
運転手さんは、30代くらいのメガネをかけた細身の男性。
「もう少し前の地点で、ヒッチハイクしてたでしょ?あれ乗せようと思って、Uターンしたら消えてて、またこっちでみっけたから乗せた」とのこと。
つまりUターンしてくれたタイミングが、2台目に乗ったタイミングと重なってしまったみたいで。 わざわざ探してくれてたんだ!優しいなあ。
なんだか不思議な雰囲気の人だ。ヒッチハイクしてる人を見たら必ず乗せるらしい。
でもご自身はしたことはないそうな。
この人は、17年間トラックの運ちゃんしてる大ベテラン。
埼玉から福岡に荷物を運んでいるんだけど、時間に余裕があるから、全部下道を通って節約しているんだとか。
お子さんもいるんだけど、この仕事も忙しいし、なかなか会えないみたい。
トラックの運転手さんって大変なんだな。いつも知り得ない裏側をみれた気がする。
福岡まで乗せてもらえたらよかったんだけど、それは3日後になりそうなので断念。
話し合った結果、広島まで乗せてもらうことに。
途中二人とも疲れすぎて爆睡してしまい気づけば広島駅に着いていた。
お礼を言って降り立ったのだった。時間は夜の23時。
金曜日なので飲みに行く人に溢れているはずが、コロナの影響か駅前もゴーストタウンみたいになっていた・・・😨
(所要時間 5時間ほど )
*広島で一泊*
宿は安いゲストハウスへ。
すずちゃんがリサーチしてくれたのが広島駅から徒歩5分のここ! akicafe
なんと一泊1500円。なんでこんなに安いのか不明。とっても綺麗だし、ベットも心地よいし、とってもおしゃれ!海外から来た人も何人かいらしゃった。
さて・・・私たちは今決断をしなければならない・・・
それは広島焼きを食うか食わないか!だ!
ここまで来て名物を食わないのは味気ないけど時間は23時。
1分考えて、食べると言う決断を下す、食いしん坊コンビの私たち。
でで〜〜ん!駅前の「お好み焼き ゆうゆう」っていうお店で広島焼き!!
ラストオーダーギリギリで入ったからか、店員さんの目が痛い。
こんな遅くに食べる人いないよねごめんなさい汗
麺がのっているからか、粉の部分が少ないためスルスルと食べれる。麺もさっぱりしていて美味しい。大阪風お好み焼きに慣れている私たちには新鮮でした。
ごちそうさまです。
大人しく宿に戻ってきました。腹も満たったことだし、次の日に備えなくては。おやすみなさい。
二日目🚘
ゆっくり寝てぼちぼち9時くらいに起きだす私たち。出遅れてる感も否めませんが!
昨日1日で、広島まで行ったから今日もうまくいくはず!
変な自信を蓄えて、宿を後にする私たち。よか宿じゃった。
目標は今日の夜までに鹿児島につくこと!!
とりあえず作戦としては、
広島駅周辺でヒッチハイク👉広島インターでヒッチハイク👉高速で九州へ
です。
スケッチブックに「広島インター」と書いていざ開始!
だがここからが悪夢の始まりだったのだ・・・💀
広島インターまでの国道沿いをひたすら歩いて、ヒッチハイクポイントを探るも、そもそも三車線で車の流れが早くて止まらない!!
マクドナルドのドライブスルー前で、出てくる車を待ち伏せするも、捕まらず。
さらにマックのスタッフさんから疑惑の目を向けられて、そそくさとたくさんする羽目に。この時点でもう昼前。
「お昼は山口あたりで食べよう!瓦そばとかどう??」って無邪気にキャッキャしてた頃がなつかしいわ・・。泣けてくる。
ここは無理だという結論を下し、無言で歩く私たち。
疲れたしお腹すいたしこれじゃ鹿児島帰れないよ。。。
1本か2本外れた、もう少し流れが遅い道路で、再チャレンジ。
ラーメン屋さんの前で、必死にもうアピール!
そうすると一人のおっさんが、急に「女の子二人?」って声をかけてきた。
そうだというと、そっか〜と離れていくおっさん。なんなんだ一体。
そのまま続けること10分ほど。道路の向かい側にさっきのおっさんが!
「来いよ、乗せてあげる!」
神様の登場だ。
*4台目* 広島駅付近〜沼田PA
この方は、おうちに帰る途中だったらしい。
ラーメン食べて出てきた時に私たちを見つけたそうな。
女の子二人組だし、大丈夫だと判断したみたい。
「以前それこそ、女の子二人組のヒッチハイカーを見かけたんじゃけどな。夜勤あけやったから乗せんかった」らしい運転手さん。私たちを乗せるのが初めてらしい。
私たちの状況を伝えると、俄然協力的になってきたおっさん。
昼ごはん食べたんか?と聞かれ、食べてないと言うと、「くそ〜ラーメン食べてもた」と悔しそう。
「食後にコーヒーでも付き合わんか?」と聞かれるが
「お構いなく〜〜☺️」うまくかわすすずちゃん。さすがっす。
北九州に、野球の強豪校に行ってる息子さんがいるらしい。
「運送会社の社長と知り合いやから、そこに九州行きのトラックないか聞いてみる!」と電話までしてくれたけど、繋がらず。
結局、広島インター近くの、PAまで行って降ろしてくれた。
「ありがとうございました!」「頑張れよ!!」とおっさん。
うあ〜〜やっと高速や!こっから追い上げてみせる! 💪
(所要時間 約40分 )
*5台目* 沼田PA〜下松SA
コンビニとトイレがあるような小さなパーキングエリアだった。
でもぼちぼち車が出入りしているし、これは行けそうだ。
このPAに止まるってことは、コンビニかトイレに用事があるってことでしょ。
だからその前に二人で立って、スケッチブックを取り出す。今回は、声付きで!
「こんにちは〜」「お願いします〜〜」と笑顔で呼びかける。
募金活動してる気分になってきたσ(^_^;)
フロントガラス越しにアイコンタクトする、車道でのヒッチハイクよりも、こっちは距離が近いもんだから、人の反応もよくわかる。
そんなこんなするうちに、一人おじいちゃんが、
「山口くらいまでなら乗せたってあげるよ」と声をかけてくれた!よっしゃ!
いそいそと乗り込む私たち。
このおじいちゃんは、広島の病院にいるおばさんを訪ねに行っていて、その帰りらしい。2週間に一回の頻度で広島に行っているんだって。柔らかな物腰の人だ。
「今日中に鹿児島につきたいんですよね」 と言うと「いや〜〜無理だろ〜〜」とあきれ顔のおじいちゃん。ええ〜そんなこと言わないで!😭
でも時すでに13時くらいでいまだに広島って厳しいような気もしてきた・・・
山口県の下松SAで降ろしてくれた!ありがとうございます。
(所要時間 約1時間半)
*6台目* 下松SA〜王司SA
下松SAで降りた私たち。今度はお土産やさんもあるような大きめのサービスエリアだ。
でかいトラックがたくさん停まっていたので、2,3台窓をノックして「二人でヒッチハイクしてて、鹿児島を目指してるんですが途中まで乗せてくれませんか?」と頼むがうまく行かず🚚
入り口付近で、スケッチブックでやってると、謎にけん玉持ってるお兄さんの集団が近づいてきた。
すずちゃんの持ってる「鹿児島へ!」という紙を見て「とお!どこからきたん?」と声をかけられる。
「九州方面行かないですか?」と祈るように聞くと「席が1つ足りんな〜ごめんな」と言われた。しょうがない。
「もうちょっと可愛かったら乗せたけどなあ笑笑」という余計な一言を残して、まあ頑張れ〜と行ってしまった。
・・・すずちゃんと、小声でけなす。
そんなこんなでめげずに続ける。
たくさんの人に、面白そうな顔で、無表情で、すまなそうな顔で、見られる。
そうすると、ある男の人が、「のる〜〜〜?」って声をかけてくれた!やったあ!
ついていくと奥さんが乗っていた。
奥さんが、頑張って頼み込んでいるのを見て、「乗せてあげれば?」と言ってくれたらしい。神😭
車の中を整頓しながら「汚くてごめんね〜〜」
いやいやいやいや綺麗ですありがとうございます。
このご夫婦は、息子さんのお嫁さん家族と顔合わせに行くために、北九州に向かっている道中だったそうな。
そんな大事な時に乗せてくれてありがとうございます!🙇♀️
なんだか落ち着いた雰囲気のご夫婦だ。
夫さんは寡黙な、でも優しそうな人で、ずっとハンドルを握っている。
対照的に、奥さんは助手席から身を乗り出して、私たちの話を聞いてる感じ。
私たちが出会った経緯、ヒッチハイクを始めた理由とか目的地、いろんな背景を話すと、とっても興味深そうに聞いてくれた。
奥さんは以前、男の子のヒッチハイカーを乗せた経験があったそうで、私たちを乗せた腰の軽さにも納得した。
同年代の娘さんがいるそうで、母親の気持ちがよくわかるのだろう。
「女の子なんだから気をつけなさいよ!」と釘を刺してくれた。
きゃいきゃい母娘みたいに3人でトークしてる中、微笑みながらハンドルを握る夫さん。なんだかご家族の姿がリアルに想像できてあったかい気持ちになった。
フロントガラスの水滴に気づく。
「これから雨降るみたいよ〜〜」と奥さん。しまった、天気予報チェックしてなかったなあ。
九州に近い、山口県の王司サービスエリアで降ろしてもらう。
「次すぐ見つかればいいね」と広島のもみじ饅頭を渡してくれる奥さん。本当に嬉しい。
隣の和泉ナンバー(大阪)の車を見て、「意外と県外ナンバーの人の方が、鹿児島とか遠方に行くかもよ!運転手さんに話しかけて見れば?」 と夫さんアドバイスしてくれた。
私たちは深々と頭を下げ、降り立ったのだった。
(所要時間 1時間半 )
*7台目* 王司SA〜宮原SA
シトシトと雨が降っている。うむ、なんだか不安になる天気だ。
人も心なしか少ないような・・・
いまだに山口ナンバーが多い。
でも北九州に近いから、絶対九州方面に行く車があるはず!だ!
すると、さっきの和泉ナンバーの運転手さんが降りてきた!
私はそんなにコミュ力高い方ではないのだが、勇気を振り絞って話しかけた!
「あの〜すみません。」
その人は、一瞬ポカンとした表情で、自分に話しかけられたとわかっていないようだった。 60代くらいの女性の方だった。
結構必死な私たちは、かくかくしかじかでヒッチハイクしていることを告げ、「どこまで行かれますか?」と聞く。
するとその人は戸惑ったように「鹿児島まで行くよ」
・・・・えええええええええええ!????
和泉ナンバー(大阪)なのに、何その奇跡!!
興奮しながら「ご迷惑だと思いますが、もしよければ、途中まででも乗せて行ってくれたりしませんか・・?」と祈るような気持ちで聞く。「いいよ!」と意外と快諾してくれたおばちゃん。
「ちょっとご飯食べるから待ってて」と言われて、信じられずに立ち尽くす私たち。
ついさっき降ろしてくれた夫さんのアドバイスに導かれて、話しかけたけど、大当たりでした!!
パッと振り返ったけど、さっきの夫婦はすでに出発していた。
ああ、報告したかったなあ〜〜😂
ほとんどご飯を食べていなかった私たちは、もらったもみじ饅頭を、しみじみと食べたのでした。
そしておばちゃんが用意できたみたいで、私たちをよんでくれた。
7人乗りくらいの黒い車で、一人で大阪から一日でここまできたんだそうな。
顔立ちの整った、独特な雰囲気な人だ。
「大阪にいても、おじちゃん(ご主人)と猫しかいらんからな」かっかと笑うおばちゃん。「だから、出水の孫に会いに行くことにしたんだわ」
和泉から出水(どっちもいずみ)に行くのか🤣
自称超人見知りらしいけど、話すとどんどん盛り上がる。時々会話に現れる、天然な感じも良い。
しかし一人で大阪か1日で鹿児島 まで車を運転する凄い人だわ・・・。
そんなこんな話しているうちに熊本県に突入。
鹿児島出水まで行くということだけど、私たちが目指すのは鹿児島市内。
熊本のサービスエリアで降ろしてもらって、高速上でヒッチハイクを続ける方が得策だ、と結論が出た。
雨が結構ひどくなってきているなか、熊本の宮原サービスエリアに降ろしてもらったのだった。
(所要時間 約2時間)
*8台目* 宮原SA〜私の家
さて、あたりはほとんど真っ暗で、雨の中降ろされた私たち。
誰が見ても追い込まれた状況だと言えるだろう。
とにかく鹿児島ナンバーを探す。熊本なら、鹿児島に行く確率も高いでしょう!!
鹿児島ナンバー発見!中には夫婦っぽい2人が、助手席運転席に座っている。
勇気を振り絞って、二人で窓ガラスをコンコンと叩く。
うい〜んと窓が開いて、とっても訝しげな顔をしたおじさんの顔が現れる。
すずちゃん口火をきる!!
「あの、私たち二人でヒッチハイクしてきてるんです。鹿児島が最終目的地で、今日中にどうしても帰りたいんです。どうか乗せてくださいませんか?」
硬い表情を隠さないおじさんが、そばに停まっている高速バスをアゴでしゃくる。
「あそこのバスに乗ればいいじゃない、鹿児島市内まで行くよ」
その言葉に固まる私。確かに、確かにそうですよねええええええ!😭
しかも暗闇の中、突如声をかけてきた二人組、たとえ女子二人だと言っても不気味すぎる。不可能なんじゃ・・・と一気に気分が萎える私。
ししかしすずは違った!
「私たち、神戸から二人で頑張って、初めてヒッチハイクに挑戦してきてるんです。どうしてもここで諦めたくないんです!!!どうか乗せてくれませんか??」
す・・すごいこいつ・・・・関西人の本領発揮というか、九州人にはないグイグイ感。
その勢いに押されたように、お、おう・・となってるおじさん。
そこで隣の奥さんが、控えめな感じで、乗せてあげていいんじゃないの?という表情。
「いいよ、ほら乗りな」 とおじさん。
思考停止する私たち。
え、いっ、いいの!??
「本当にいいんですか?」「いいよ」「本当?」「いいよ」
ポカーンとしてる私たちを促すように、奥さんが「ちょっと汚いけど・・」と後部座席を片付け始める。
まじかああああああああ!!!!どうしよう、本当に感謝しかない。
無理やり乗せてもらった感があって、申し訳ないが。
そうして鹿児島市への席を手にした私たちなのだった。
このご夫婦は鹿児島市在住で、熊本に住んでいる娘さんに会いに行った帰りだったそうな。
亭主関白って感じの怖そうなご主人と、ほとんど口を出さなさそうな控えめな奥さんコンビ。THE・昔の日本夫婦って感じやな・・・。60代くらいだろうか。
「ご飯食べたの?」と後ろを振り返って、優しく聞いてくれる奥さん。
顔を見合わせて、そういやもみじ饅頭くらいしか食べてなかったことに気づく。夢中だったもんな。
「ええ!?もみじ饅頭だけ!?これ食べなさい!」と娘さんが持たせてくれたという、おいなりさんが入ったタッパーを差し出してくれた。
なんて優しいの・・・・ウルウル🥺 うまい。
鹿児島大学生だというと、「かだいせいね!」
おじさんの一気に態度が軟化したような気がする。
それから、私たちが出会って経緯、ヒッチハイクしてきた話、鹿児島に着いたら何するかなどなど・・・ この二日間で繰り返してきたので、言葉はスラスラと出てくる。
おじさんも、それからふんふんと興味深く聞いてくれた。
特に私たちがお互いに、それぞれの留学に行っていたことに興味を持ってくれた。
いろんな話をしていくうちに、あっという間に鹿児島へ。
こんなに感慨深い気持ちで鹿児島に帰ってきたのは初めてだぜ・・・
大学の近くまで送ってくれるという。
いやいやいやいそこらへんで降ろしてください!と辞退したのにも関わらず、家の近くまで行ってくれた。
車を降りるとき、雨は止んでいた。
ご夫婦とも、車を降りて見送ってくれた。
ご主人の顔は、柔らかで優しい表情だった。
そしてようやく、長い長いヒッチハイクが終わったのだった ・・・・・!!
まとめ
🚙全走行距離 851km
🚙総時間 44時間(休憩含む)
🚙総台数 8台
腹ペコだった私たち、これはトマトの実に行くしかないだろうと、直行。
私がどれだけこのお店が好きかは、この記事読んでくだしゃい!
食う。うまい。うますぎる。
すずちゃんとこの二日間のことを振り返りながら、しみじみ食べた。
正直、本当にやり遂げられると思わなかった。
でも、目標達成して、二日で神戸から鹿児島まで帰ってきたんだ。
というか、私はインターまでは電車でいいかあ、と途中で妥協しそうになったんだが
すずちゃんの固い意志により、全ヒッチハイクでここまで帰ってきたのだ。正真正銘のヒッチハイクだ。
すずちゃんの、関西人気質の交渉上手なところも救われた。すずちゃん凄い!
私全然だなあ〜〜笑
確かに、ヒッチハイクは危険な側面もあるのは100も承知だ。特に女の子は。
親は絶対止めると思ったから言わなかった。
こんなご時世、何があるかわかんない、バカだと呆れられて罵られても仕方がない。
親が心配する気持ちも心底わかる。
でも絶対にやってみたかった。やるならこのタイミングしかないと思った。
乗せる側もドキドキなのだ。
今回は女の子二人だから、なんとかなった感はあるけど、逆に女の子一人だったら男のドライバーの人は乗せにくいだろうし、男だったら女性ドライバーは怖いかもしれないし。
とにかくいろんな条件があってそれでもやってみる。
ヒッチハイカーも車側も、よし!やろう!と両方が心を決めてから、ようやく成立するのだ。
う〜〜んつまりね、何が言いたいかっていうと・・・
大体の人は優しいし、なんとかなるってこと。(アバウトすぎるな笑)
普段は、話しかけずに、無関心な他人同士に、 話しかけていきなり距離を詰めるような質問を投げかける。
このご時世だし、しかもシャイな国民性の日本、 無茶なことのようにも思える。
でも、意外にみんな優しいのだ。みんな口に出したり顔に出さないだけで、わからないだけなのだ。
なんだか、それに触れられて、知ることができて、よかった。
乗せる側の人間になりたいなって心底思った。
ヒッチハイクはもちろんだけど、それ以外のモノゴトも。
ふたつ選択肢があった時に、いつもの日常をはずれて、新しいものに出会えそうな方。
たくさん、人に頼れる人間になりたい。そして、たくさんの人を助けられる人になりたい。
自分でその学びを掴み取った充実感でいっぱいだ。
本当にヒッチハイクしてよかった!
ありがとうすずちゃん!そしてありがとう、乗せてくれたドライバーさんたち。
(完)