今回は、私の大好きな先生、いのっちについて書こう。
彼との出会いは、私の大学生活、私の人生を素晴らしく変えてくれた。
本当にこれだけでも、鹿児島大学に来た甲斐があった。
始まり
2016年、鹿児島大学に入学した私。
入学したての頃、ずっと憧れていた大学生活の始まりに、胸が高鳴っていた。
なんでもできる!この四年間何をしようか・・・とにかく夢と希望で胸がいっぱいだった。
一年生は、共通教育といって、自分の専門にかかわらず色んな講義を受講できるの。(農学部の講義だけじゃなくて、文系の講義でも)
大体の大学ではそうなのだろうと思うけど。
なに受けよっかな〜♬と、パラパラと講義のしおりをめくっていたら、ある講義が目に飛び込んできた。
「自然学校へ行こう」
え、なになになになになに!!!
自然学校に行けるの!?めっちゃ面白そうやん!
とりあえずアウトドア大好きな私は、「自然」って書いてあるだけで飛びついた。
だって自然学校だよ!? 面白いに決まってるがな!取らないわけがない!!
『人数制限あります。メールくれたら優先的に受講資格あげます』って備考欄に書いてある。
速攻、担当教員にメール。
でね、この講義がもう、最高にぶっ飛んでたの。他にこんな講義なんてない。人生を変える講義だった、といっても過言ではない。
この講義のルール。講師は毎回変わる。
探検家、農家さん、環境教育の分野で働いている人・・・
いろんな方が、講師として、やってくる。
みなさん、自然と関わった仕事をしているっていう点と、レールに乗っからない生き方をしている点で共通している。
この素晴らしい講師陣は、ご自身のライフヒストリーや、やっている取り組みや、大学生に伝えたいことを一コマフルでお話するんです。
![](https://monpegirl-haruki.100-no-teshigoto.com/wp-content/uploads/2019/12/スクリーンショット-2019-12-18-19.17.31.png)
講義の後は有志で、ゲスト講師を囲んで茶話会。
さらにその後、居酒屋で飲みながら、さらに深く話を聞く。
彼らは、本当に自立していて、心底生きることを楽しんでる。とにかくかっこいい大人の方々。
なんて贅沢な時間!!✨
もう、どれだけ刺激を受けたことか。この講義が毎回毎回楽しみで仕方なかった。
大学卒業したら、会社に入って働くという選択肢しか知らなかった私。
「こんな生き方があるんだ・・・!」と衝撃を受ける。
ああ、私ってなんでもできるのか。
大学入学一発目に気づけたのは、本当にラッキーだった。
変わり者の担当教員
さて、この私の人生を変えた「自然学校へ行こう」の担当教員。
その名前は井倉洋二先生です。通称いのっち。
いのっちとの出会いは、私の大学生活を、ガラリと変えました。
実は「自然学校へ行こう」を受ける前に、いのっちを見かけていたんです。
大学入学直後、農林環境学科のオリエンテーションの場で。
各先生が自己紹介の場面、いのっちの番が回ってきた。
彼の話し方、立ち振る舞い、なんだか他の先生と違っていて、とても惹かれるものがあった。
「あ、この先生好きだな。面白そう」とビビッときたの。
その春来センサーはちゃんと作動していたようで。
この講義で再会することになったのです。
この先生は、環境教育が専門で、大学の演習林(大学が所有する森)の職員でもある。
常に「若者よ!田舎で起業しよう!」と学生にそそのかしている先生。
(実際に、そそのかされた先輩たちが、自然体験・環境教育の道に入り、プロとして生きていっている。)
私は、将来田舎で、自給的な暮らしを営みたいと思っている。
どうすれば生計を立てていけるのか、というのも重要事項。
彼の話はとても共感できた。
いのっち自体、大学教員の中で、めちゃくちゃ浮いている存在である。
大学の組織体制にハマりきっていない。
そもそも学生に自分のことを「いのっち」とニックネームで呼ばせる先生を他にしらない。
こんなに学生に慕われている先生を他にしらない。
こんなに学生と、毎日飲んかたしてる先生を他にしらない・・・・w
こんなにぶっ飛んだ大学の教員を他にしらない・・・・・www
うん、つまりこの先生が大好きになってしまったわけだ。
そこからの大学生活、何かといのっちと関わらせてもらいながら、過ごしてきた。
というか、面白い案件が、この人の所に集まるというか・・・笑
![](https://monpegirl-haruki.100-no-teshigoto.com/wp-content/uploads/2019/12/UNADJUSTEDNONRAW_thumb_73f-1024x683.jpg)
実際に田舎で、自然と共生した暮らしをしている人の場所を訪ねたり。
いのっちの講義で、鹿児島の田舎にいって、農家さんの農作業を手伝って、焼酎片手に呑んかたしたり。
学生何人かと共に、九州の面白い人、場所を訪問する、九州縦断旅を計画したり。
大学周りのお店で一緒に呑みにいったり。恋愛、人生、なんでも相談に乗ってもらったり。
お酒の飲み方を教えてもらったり・・・・。(大事)
苦しい時の逃げ道
最初はとてもワクワクして、なにもかもがキラキラして見えた大学生活。
徐々に違和感を感じるようになっていきました。
なんだか高校生活の延長に乗っている感が拭えなくて・・・
そもそも大学って、これが学びたい!っていう意欲を持った人たちが集まる場所のはず。なのに・・・。
とにかく受動的な学生が多いこと・・・
講義ではみんな死んだ魚の眼をしている。誰も発言しない。 教授もそれをわかっていて、黙々と講義が進められる。
あの独特の、教室に漂う雰囲気が、とても息苦しい。つか不気味すぎ。
なんとなくみんな大学進学するから進学して、最小限の努力で単位をとる。
単位をなんのために取る?
大学を卒業するため?
なんのために大学を卒業するの?
いい会社に入るため?
大学に入学した!と思ったら、すぐに就活の案内がくる。
自由にやれば自由にやるだけ、熱い想いを語るだけ、
「すごいね」「意識高いね」って言われる。
それってどういう意味だろう?
高校までの教育で染み付いた、組織の中で教育されるのに慣れていて、与えられたことしかこなすことしかできない。
いざ、自由な場所に放り出されたとき、なにも動けないで途方に暮れている人が多い。
そして、大学側にも、昔からの慣習にとらわれて、バカバカしいルールがとても多い。
(地方大学だからだろうか?国立大学だから?都会の私立とかだと、また違うんだろうか)
いや、わかってる、これって贅沢な悩みだって。
私の両親が必死に働いたお金で、私を送り出してくれた、彼らには頭があがらない。
でも、だからこそ、大学にきた訳がわからなくなってしまったりして、悩んだこともたくさんあった。 私はなぜここで時間を過ごしているんだ??
そんな時、私はいのけん(井倉研究室)ところに逃げる。
いのっちの周りには、特定の学生が集まってくる。
大学の教育体制にはまりきれなくて、息苦しさを覚える子達。
みんな、自分が本当にやりたいこと、好きなことを求めて、自主的に動いている。
![](https://monpegirl-haruki.100-no-teshigoto.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_7627-1024x768.jpg)
いのっちのゆるやかさが好きだ。
こうでなきゃいけない、っていう常識から私を解放してくれる。
私のことを肯定して、なんでも背を押してくれる、応援してくれる。
1人の人間として、親身になって接してくれる。
私はこれでいいんだって、勇気が出てくる。
これからも、いのっちは変わらずに、いろんな学生の心の拠り所になっていくんだろうな。
それが嬉しい。
そしていのっちに出会えたことに心から感謝する。私、ほんといい運を持っている。
結論。
大学はいのっちのような変わり者の教員を増やすべきである。
時間の融通がきく、この大学生活を思いっきり、活用してやる。
これからの人生をもっと豊かにしていくために。